正月行事

毎年,当然のごとく正月を迎える.
ともすれば,この繰り返しが無限に続くような
錯覚を持ちやすい.
 
気がつけば,私も平均寿命の半分を過ぎている.
考えてみると,これから正月を迎える回数も
そう多くはないのである.
 
家族と過ごす時間.
おいしい食べ物を食べる回数.
好きな音楽を聞く回数.
感動的な書物を読む量.
出会う人の数.
 
それらがすべて限られている.
そしてそれらの楽しみは,いずれ必ず終わる.
すべて....
 
これを暗いイメージとしてとらえるのは良くない.
限られた楽しみだからこそ,一つ一つの機会を
大切にして感謝しないといけないのだ.
 
ある日突然,「余命3ヶ月です...」
などといわれても取り乱してはいけない.
 
限られたスペースのキャンバスに
できるだけ良い絵を描いてやろう.
 
人生とはそういうものだと思う.
 
そのキャンバスの大小は人によって違うが,
とにかくキャンバスが与えられていることは
恵みに違いない.
 

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子供の頃,TVアニメの「一休さん」の中で,
一休さんが正月早々,どくろを乗せた杖をついて
「ご用心なさ〜い」と言いながら町を歩き,
群衆から石を投げつけられているシーンをみた.
それを思い出し,こんなことを考えてしまった.
 
自分の人生の有限性について考える.
これから正月行事にしようと思う.
 
(別に大病を患ったわけではありません.)