生涯学習の時代(2)

採点処理の作業で疲れたので,ちょっと一服.
 
以前,生涯学習の大切さについて書いた.
われわれは死ぬまで学びながら
社会に適応しなければならない.
 
情報処理を教えている私の立場から見た範囲でも,
年齢の高い人々がパソコンやソフトウェアの
使い方を習得できずに苦心惨憺している光景が多い.
 
一般論としては,新しいものに適応できない人間は
怠惰な落伍者として片付けられてしまうのだが,
それもちょっとひどいような気がする.
 
近代化以前の社会では,就くべき職業というのは
生まれたときからほぼ決定されており,
「人生の選択肢」というのがほとんどなかった.
でもこれは,ある意味で,とても幸せなこと
ではないかと考える.
 
苦労して新しいものについて行く必要がないからだ.
 
そもそも人間というものは「変わることができない物」
ではないのか.
 

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子供のころに持った他愛も無い疑問.
 
大きな自然災害に見舞われた離島から避難した人々が
なんとかして島に戻ろうとがんばっている様子が
報道されているのを見て思った.
 
「どうしてそんな危ないところに戻るのか?」
「他の土地で生きてゆけばいいのでは?」
 
今にして思えば,その災害にあった人たちは,
リストラされた挙句に住居を失った人々と
同じだと思う.
 
つまり,生活基盤を簡単に切り替えて
生きてゆくことなどできないのである.
 
次々と新しい技能を身につけて
新しい職につくことなどできないのである.
もちろん経済的制約も大きい.
 
 
「人間は変われない」
「変われないのが普通」である.
 
生涯学習
今日はつらい響きがある.
 

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今日は精神的に疲労しているせいか
ちょっと気分が暗い.