「いじめ」についてのある記述の紹介

久しぶりのブログである.
そもそも日記なので頻繁に書かないといけないのだが,
忙しいとそこまで手が回らなくなってしまう....
 
今は年度末で授業はないが,次年度の準備と
論文の執筆,それに休憩として読書をしている.
 
最近読んだのが養老孟司先生の話題作「超バカの壁」.
 
その中にいじめについての記述があり,
非常に納得させられるところがあった.
 
いじめは学校に限らず,大人の社会でも深刻な問題であり,
マスメディアでもいじめについてのコメントを頻繁に
目に(耳に)する.
 
ただ,いじめに関する多くのコメントや意見を聞いても,
発生メカニズムに関するクリアな部分はなく,
いわゆる「評論」に終わっているような気がする.
 
そんな中,「超バカの壁」にいじめの発生メカニズムに
ついてかなり詳細な記述があり,とても興味深を引かれた.
 
もちろん著者はいじめ問題の専門家ではなく,
あくまで,自身が経験した1つの状況の紹介ではあったが,
「いじめられる側」の問題についての明確な観察と分析
があった.
 
要約すると,いじめを受けたその人は他人との対話性が
低く,他人から見ると「自己顕示的」でありながら,
強面でもなく,それが災いしていじめを受けていたという
感じである.
 

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もちろん,ひどいいじめのケースにおいては,
いじめられている側は被害者であり,その人たちを
責めるべきではないが,先の本のように明確な現象の分析
はもっと行われるべきだと思う.
 
結局いじめはコミュニケーションの中で起こるアクシデント
であり,いじめをする側にも受ける側にも原因がある.
 
客観的な人間関係だけを見ていじめを論じるより,
個人の内面や他者とのコミュニケーションの分析に
基づいた研究をもっと行うべきではないか.
 
それがいじめの防止につながると思うのだが.