大学の改革の難しさ

受験生が減るというのに相変わらず新しい大学が
設置され続けているようである.
「大丈夫か〜?」
というのが正直なところである.
 
そんな今日この頃,私も大学でも改革が推し進められており,
大学の運営というものに関しては興味を持つようになった.
 

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大学の運営は一般の企業とはかなり違う.もともと営利団体ではないので
根本的な体質が違うというのは当然かもしれないが,
大学間の競争が激化する中,そんな悠長なことばかりも言っていられない.
 
しかし,大学では「戦略的経営」が非常にやりにくいのだろうと思う.
企業の場合は「魅力ある商品」と「効果的な広報」で経営業績を
あげてゆくことができるのだろうけれど,大学はここからして違う.
 
大学における「商品」は教育であり,結果は「社会的貢献」である.
商品の製作にもものすごく時間がかかり,結果の評価もものすごく
後になってから現れる.
 
これではマーケティングがほとんどできないのと同じである.
 
しかも,年度はじめに学生が入学してしまえば,
その後の1年の収入は決定されてしまい,増収のために努力する
ことが不可能である.もちろん次年度に向けての受験生確保のための
努力というのは必要だが,顧客はあくまで在学生である.
 
そして,顧客である学生とは「契約」はすでに締結しており,
支払いもほぼ確実となれば,限られた収入の中でサービス向上するのは
なかなか難しい.
 
これからは「大学」に特化したタイプの経営学というのが
必要になってくるのだと思う.
 
「非営利」を標榜して奇麗事ばかり言ってもいられないが,
「社会貢献」と「マーケティング」を両立させる新しい
ビジネスモデルが望まれるのだと思う.
 
大学にとって激動の時代が訪れる.
 

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注)これは私がぼんやり考える「一般論」です.
  特定の大学を指してはおりません.