「ものつくり」の魅力

うっかりすると,ついつい,
「今の若者は...」
みたいな愚痴に走ってしまうが,
価値を見出しにくい世相を考えると,
若者の不甲斐なさを論じてばかりもいられない.
 
http://ameblo.jp/nice55/ のnice55先生からも
ご意見をいただいたが,「情報過多」も
「夢」を持ちにくくする大きな要因だと思う.
 
私の子供時代から青春時代を思い出して見ると,
「科学」や「ものつくり」に対する夢が
とても大きかったように思う.
 
TVや雑誌の漫画を見ていても,
科学者があふれる知恵・知識をふるって活躍し,
新たな機軸を打ち出し,人々を救っていた.
(だいたい昭和30年代後半から昭和50年くらいの
 作品においてである.)
 
まさに「科学=未来=幸せ」だった.
私も子供のころから,自分の未来のビジョンを
「理系」の世界に描いていた.
 
今現在,子供のころに思い浮かべていた「未来」が
やってきたが,子供のころの想像とはかなり違っている.
特に思うのが,「ものをつくる」ことにおいてである.
 
今では「ものつくり」は,巨大組織による巨大産業の
することであり,私が子供のころやったような,
板金にコイルを巻いてモーターをつくるときの喜びは
見出せない.
ものつくりに個人の入り込める余地があまり無い.
 
しかし,だからといって現実はつまらないものだろうか?
 
そうではなくて,昔のおぼろげな夢を
現実のものにするための,過酷でドライな状況が
迫ってきただけなのだと思う.
 
現実の風にさらすと壊れてしまうような夢ではいけない.
 
今,まさに夢が実現のプロセスに入っているような
気がする.
 
「ものつくり」は楽しいのだ.
 
情報過多という瘴気に,想像力で対抗しよう.