文系女子大で数学....

私の大学では、教育内容に情報科学系の特色を加えるべく
準備をしている。
 
既に情報工学の基本的な講義をいくつか開講しているが、
なかなか大変である。
今日など、4人の学生が私の研究室を訪ねてきて、
「2進数の計算を教えてほしい」といった。
 
非常に困った。
 
教員といっても、あらゆるケースに対して常に教育準備を
整えているわけではなく、保育士養成の学科の学生が
いきなり「2進数」といっても正直言って身動き1つとれない
状態だった。勿論、私が担当している講義ではなく、まさか
そんなことまで教えているなどとは想像もしていなかった。
 
それなら担当の先生に質問に行けばよいのだが、その学生に
聞いてみると、担当の先生は「きつい表情」で講義をしている
らしく、それで、知らない別の先生に相談してみようという
ことらしい。 おそらく私もそのような講義を担当したら
「きつい表情」になると思うが....
 
そもそも2進数とは何か、なぜコンピュータ内部の処理は
2進数なのかといった部分のお話しに1時間くらいかける。
 
私も、好きで情報科学の分野に住んでいる人間なので、
これに関しては話のネタに困ることはないが、学生の
おしゃべりのテンポをつかむのに少々苦労した。
ただ、一度お話のテンポを確立すると、学生の注意を
かなり長く引きつけることができた。
これも女子学生の特性だろうか。
 
4時間くらい時間をつぎ込んで「基数表現」の考え方を教えて
2進数<->10進数の変換手続きを教え込んで、計算問題を
一緒にやった。(夜おそくなったので守衛が追い出しに来た)
 
彼女らも、「久しぶりにいい汗かいた〜」みたいな感じ
でなんとか落ち着いたようだった。
 

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最近、学生の「理系離れ」がよく言われているが、
それはテーマのせいではなくて、教える労力の問題の
方が大きいのではないかと思う。(啓蒙にも技術が必要だし....)
 
確かに、文系女子大生に情報数学を座学で一斉に教える
のは無理があるかもしれない。
しかし、指導する側のやりかた次第では「理系離れ」
を食い止めることができるのではないか、という
思いをした1日であった。