今どきの学生指導

「今の学生の年齢は7掛けと思え」
 
これは私の大学のトップ経営者が
最近発した言葉である.つまり,
 
実際年齢  精神年齢
  20  →  14
 
ということである.
 
ちょっと過激な印象を受けた.
 
その直後に教育方針の表明があったが,
それによると,学生を卑下する意図は全く無い
ことがわかったので少し安心した.
 
強い愛情表現の1つなのかもしれない.
 
その経営者の発言を私なりに解釈し,
大体次のように私は受け止めている.
 
● コミュニケーションの貧困が若者の
 精神的姿勢を崩している.
 
●コミュニケーションの少なさが若者の
 心を冷めさせている.
 
●悪しきコミュニケーションが若者の
 心を汚している.
 
学生と教職員の距離を縮め,教職員が率先して
思慮深さや「徳」を示すことで学生の「心の温度」
を上げることが重要であるということか.....
 
今年度のオリエンテーションの手厚さと
「ホームルーム」の導入は,
まさにこれを実現しようとしているように思う.
 
実際,今年の学生は例年よりも少し明るく元気な
感じがする.
 
他大学から見ると私の大学の方針は
非常に特色が強く映るだろう.
 
恐らく,この教育方針に異論を唱える人もいるだろうが,
きっと次のような論を唱えるのではないか.
 
「大学生を大人扱いせず,自主性・自律性を育てない」
 
しかし,ちょっと違うような気がする.
 
豊かなコミュニケーションは,人間を豊にすると思う.
 

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年長者はだれしも多かれ少なかれ
若い人に対して批判的な意見を持っている.
 
特にできの悪い教師ほど,
教育成果の低さを学生のせいにしているというのが
私が若者であったときから持っている考えである.
 
「責任ある指導」の1つの形が実現できたら
いいと思う.
 
これからが正念場かもしれない.